乙女な彼氏には牙がある!?




「なっんでここにいんだよ、秋津!!吐け、さぁ包み隠さず吐け!!」


肩をがっちりわし掴み、ガタガタと揺さぶる。


このままでは、秋津の頭はポロリと落ちてしまうかもしれない……


「だって、友達なら一緒に帰るでしょ―?」


秋津は今にも吐き出しそうな顔つきだ。


「だからって突然来んなよ!騒ぎになるだろが」


ペチッと軽くおでこを叩く。


「本当は駅で待ってたんだけど、早く会いたくて…」


あぁ、もうまたコイツは~!


ガシッ


「へ?!」


「帰るんだろ?だから泣くな!」


輝は何も言わせないように力任せに手を引いた。


やっぱりコイツの涙には弱い。


ツキン…


「…………」


「?どうしたの?」


突然立ち止まる輝。

「胸が…痛い」


小さな針でチクっと刺されるような。


それでいて、きゅ―っと締め付けられているような……