乙女な彼氏には牙がある!?




ザワザワザワ…


「ちょっと!起きなさいよ、このおバカ!!」


ペチン


「イテっ!も―。良い夢見てたのに~」


ちょうど、ホテルの豪華なフルコースのメインディッシュを口に運ぼうとしていたのだ。


なんとも美味しそうなステーキだった……


「あんたの昼寝事情なんてど―でもいいのよ。それより、あれを見なさい!」


ぐりんと首を窓に向けられ、激痛が走った。


しかし、そんな痛みはすぐに紛らわされた。


「あ、輝ちゃんだ!あ―き―ら―ちゃっむぐ!」


見たか、あたしの条件反射!


輝はその類い希なる運動神経を発揮し、教室の窓を飛び降り、校門までダッシュして秋津の口を塞いだのだ!


「ここ3階なんだけど……」


奈留美は呆れながらも、友人と自分のカバンを持ち、校門へと向かった。