「あきつ…まさひで?」
「あ―、違う違う。まさひでじゃなくて、まほ」
おはよう!とどこかしこから聞こえる朝の教室。
昨日の出来事を包み隠さず奈留美に報告させられた。
もちろん告白の部分も……
なぜか奈留美はやっぱりね、って言ってたけど。
「何それ、女みたいね。まさひででいいじゃない。」
律儀イケメンは、秋津 真秀というらしい。
「何でも、真秀ってのは古語でパーフェクトって意味なんだと」
誇らしげに秋津が言ったのが未だに鮮明に思い出せる。
「ふーん。文字通り、ね。しっかし、あんたが男に好意をもたれる日がやって来ようとはねぇ」
槍でも降るんじゃないの?と窓の外に身を乗り出す奈留美。
「おいおい、パンツ見えるぞ。それってサービス?」
男に…のあたりは自分も納得だが、奈留美に言われると何やらむかつく。
反撃したつもりだったが、頭をスパーンと叩かれ、失敗に終わった。