「輝が彼氏をしゃもじで殴った―」
まるで幼稚園児のように非難むき出しで指差してくる兄貴。
ほんとにコイツ、高校生なのだろうか……。
「え、殴った?!大変大変!冷やさないと」
母ちゃんは慌てて氷を取りに台所へ戻った。
「輝、突っ立ってないで手伝いなさい!!」
「はいぃぃ~っ!!!」
ニヤニヤ笑う兄貴を睨みつけ、台所へ急いだ。
「いてっ」
「あらまぁ、少し腫れちゃってるわね…」
作った氷のうを頭へと押し付けると、秋津が顔を歪ませた。
「ある程度冷やせば痛みもましになるだろうから、そこで休んでてね。輝、陸、ちょっと来なさい」
あたし達はずるりずるりと台所へ連行された。

