輝ちゃんの、階段を下りるやけに大きい足音が聞こえる。
皆さん、今回の事件はどうやら僕の推理ミスだったようです。
少し悔しいけど、ミスで良かった。
だって当たってたら……
「それだけはやだ!」
「なに騒いでんだよ」
振り向くと呆れ顔の輝ちゃん。
「ううん、なんでもない。それより輝ちゃん、ジュースは?」
輝ちゃんの手には何も握られていない。
トマトジュース無くなっちゃったのかな。
「取りに行ったんだけど、もう飯って言われたから」
「え、もうそんな時間?!長居してごめんね、もう帰るよ」
窓の外は、もう熟れたみかんのようなオレンジ色をしていた。
「お前も食ってけってさ」
「へ?」
急いで上着を羽織ろうとしてた手が止まった。

