「あ、そうだ」
輝ちゃんは何か思い付いたのか、近くにほってあったリュックの中をがさごそと探り始めた。
「お、あったあった。えーと、拳、拳……」
取り出したのは携帯で、耳に押し当てたところからどうやら電話するみたい。
「おー、お疲れ。忙しいとこ悪いんだけど、今いいか?え、ちげーよ!んなわけないだろ~」
何やら楽しそうなご様子。
なんか寂しいな。
「ったく、真剣な話なんだぞ!よく考えて答えろよ?あたしとあんたっでどんな関係?」
そう聞いた途端、乱暴に僕の耳に携帯を押し当ててきた。
『なんやねんな、いきなり。え―、俺とお前の関係?そうやなぁ……強いて言うなら友達以上恋人未満やな』
受話器からは、テレビで聞いたことがある声がした。

