乙女な彼氏には牙がある!?




真っ黒なスポーツ刈り。


切れ長の瞳、程よく筋肉が付いているであろうスラリとした体格。


「んぁ?おー、お前さっき拳斗の試合会場でぶつかったヤツか」


けだるそうに頭を掻きながら僕を指差す。


「え、あの時ぶつかったの秋津だったの?!」


「今ごろ気づいたの?」


「うわー。お前、友達の顔忘れるとかないわ。最低だな」


「ちがっ!あの時はあんまり顔見えなかったから……」


「へぇ。見えなかったから…ねぇ。秋津君よ、キミも薄情者な友達を持って哀れだねぇ。妹に代わって謝ろう、すまん」


男の人が手を軽く挙げてへらっと笑う。


明らか謝る態度じゃないでしょ。


てか……


「妹?」


「あぁ、自己紹介が遅れました。輝の兄の陸でーす。よろしくね」


完全棒読み。


気持ち全くこもってないし。