「いや、その…さ。明日ヒマならうちに来ないか?」
「……」
言葉が出なかった。
いつもの僕なら即座に喜ぶところなのに、今はどう対応したらいいのか分からない。
「秋津?やっぱり用事とかあったか?」
受話器から輝ちゃんの申し訳なさそうな声が伝わる。
「無理ならハッキリ無理って言えよ。男だろ!」
「男らしくなくて悪かったね。僕みたいなのが嫌なら、早く鬼塚選手とかと付き合っちゃいなよ!!」
「秋津?どうしたんだよ」
明らかに動揺している声音。
「とぼける気?輝ちゃん、今日鬼塚選手の試合見に来てたでしょ。花束なんて渡しちゃって」
自分の中に溜まっていた黒くてドロドロした感情が一気に溢れ出る。

