輝ちゃんは先約があるから、って言ってた。
もしその先約っていうのがこれだったら……。
そういえば、輝ちゃんは最近あんまり寝てなさそうだったっけ。
眠れない程楽しみだったとか?
もしかして、輝ちゃんは鬼塚選手のことが好き…?
花束を渡した時の輝ちゃんは、何だかとっても嬉しそうだった。
「え?オイ、待てよ!!」
僕は何も言わずに外に出た。
会場の中は、まだ歓声が鳴り止まないでいた。
でも今の僕にはそんなのどうでもよくて。
頭の中は輝ちゃんのことばかりが渦巻いていて。
「真秀、ちょっと落ち着けよ。お前大丈夫か?」
涼の優しさも、今は全然僕の中に入ってこない。
なんだか、うまく前に進めないや。
視界もはっきりしない。

