「真秀、鬼塚選手大丈夫かな?」
僕達の声援虚しく、鬼塚選手は尚も殴られ続けていた。
ブロックもろくに効いてない。
「へばってんじゃねぇぞ、漢魅せやがれ拳!!」
たくさんの声援の中から、一際よく通る声が観客席から飛び出してきた。
瞬間、相手選手が倒れた。
「ウソ、だろ……?!」
見事なアッパー。
不意打ちの渾身の一撃が決まった。
『ワン、ツー、スリー…』
レフェリーがカウントをする中、鬼塚選手はリング脇のネットに体をゆっくりと預けた。
『ナイン、テーン!!』
試合終了のゴングが鳴る。
「やった、やったぞ真秀!鬼塚選手が勝った!!」
涼が僕の肩をバシバシ叩いてくる。
「勝った…。すげー、すげーよ!!」
僕も負けじと涼の肩を叩く。
鬼塚選手はリング上で高らかに拳を突き上げ、勝利に歓喜している。

