「なぁ、おい。大丈夫かよ鬼塚拳斗。やる前から負けそうじゃね?」
涼の心配なんてお構いなしに試合のゴングは鳴り響く。
開始そうそう相手が鬼塚選手をサンドバッグのように殴り始めた。
「あぁあ。言わんこっちゃない」
「涼、黙ってろ」
鬼塚選手なら絶対大丈夫。
いつもどんなに不利な状況でも必ず最後は勝つんだ!
「絶対、勝つんだから……」
みるみるうちに自らの血で真っ赤に染まる鬼塚選手。
明らかに背というハンデのせいで圧されている。
「頑張れ、頑張れ鬼塚選手!」
気づけば叫んでいた。
「そうだ。負けんじゃねぇぞ、鬼塚選手!!」
隣では、涼も感極まって叫んでいた。
周りの観客も立ち上がり、共に声援を送る。

