大通りから少し外れて、あっちの曲がり角、こっちの曲がり角と入り込んでいくうちに、1つの大きな白い建物の前に辿り着いた。
入り口には長蛇の列。
大半むさ苦しい男。
「なんじゃこりゃ」
「ふっふっふ。ここはだな………」
ダララララッてドラムロールをしながらポケットの中をガサゴソする。
「お、あったあった。じゃじゃーん!!」
さっきのドラムロールの意味……。
台無しじゃん。
てか、チケットくしゃくしゃじゃん。
「あれ、無反応?おいおい、よく見ろ真秀」
分かりやすいように目の前までズームしてくる。
えーっと、ナニナニ。
おに、づか…けん…と?
「鬼塚 拳斗!?」
「そ。鬼塚拳斗来日記念試合!」
そう、涼が手にしていたのは、ボクシング界期待の星、鬼塚拳斗の試合チケットだった。

