イケメンは当然のように輝の前に座る。
輝は思わず戦闘態勢に入りかけたが、いかにも不自然過ぎるので、いつものように音楽を聞き始めた。
イケメンも何やらぶっとい参考書らしき本を読み出したようだ。
――…
「負けた…」
最寄り駅で降りて改札を出てすぐに輝は倒れ込んだ。
イケメンは輝が降りるまで一度視線を向けたきり、参考書に集中していた。
逆に輝がチラチラと見て、朝と正反対になってしまった。
何なのだろうか、この敗北感は!
「くっそ、明日は覚えてろよ…」
負け犬の遠吠えにしか聞こえないセリフを残して、とぼとぼと家路についた。

