騎士があたしを抱きしめてくれていた。

無理矢理声を押し殺していると上から優しく大きな手で頭を撫でられる。




騎士「俺の前では強がんなくて良いから。」


視界が彼の立派な胸板で塞がれているため顔は見れないけれどいつもより声が優しく聞こえた気がした。




あげは「……う゛ぅぅ…。」

あたし…あんたの前では強くなれないみたい。

広い胸に顔を埋めて止められない涙を流していく。

騎士の黒いTシャツにじわわ…と小さな染みを作っていく。

カッコ悪…。






でも、

あげは「ねぇ…騎士?」

騎士「ん?」


騎士がこっちを覗き込むけれど、それより何より

あげは「何この恰好…ッ//!?」