紫苑「〝だった〟…?」

眉間にシワを寄せて恐い顔をする紫苑。

少し怯みつつもちゃんと自分の正直な想いを伝えようとする。


あげは「ぅん、大好きだったよ。

ずっといつからか紫苑が好きで気付いたら目が追ってた。

でも、今は分からない。」


紫苑の眉根がもっと狭まり険しい顔付きになる。


紫苑「〝分からない〟…?」


さっきから恐い顔でリピートしかしてない彼にあたしは口を閉じる。




どうしてだろう…。

ずっとずっと大好きだったはずなのにどうしてこんなに苦しいの…?




紫苑「俺が眠ってる間に好きな男でも出来た…?」


__ドクッ


一つ大きく波打つ心臓。


それは確かな動揺を表したものだった。 手に嫌な汗が滲む。