あげは「冗談…キツイよ?」
紫苑「冗談じゃないよ。あげははいつもそうやって逃げる。」
痛いとこを突かれた気がした。
あたしはいつもいつも困ったことから逃げて泣き出して子供みたいに皆に助けてもらう。
そんな情けない自分は嫌だとさっき思ったばかりだったから。
彼の真っ直ぐな瞳に捕らえられるとまばたき一つさせてもらえない。
紫苑「真剣なんだ。答えてくれない?」
もう言い逃れることは出来ないと野性の感で悟った。
うまく言い表せないけれど、ちゃんと言わなくちゃいけないと感じた。
このチャンスを逃したらもう二度と彼に抱いた淡い恋心を伝えれないと思う。
儚く散った恋心が
大事に大事に育てた花が
落ちてもまた地面で咲いてる気がした。
ピンク色の花びらを
揺らしながら。

