あげは「ありがとね、騎士。」
そう言うと騎士は照れたように笑った。
初めて見た騎士の笑顔に少し胸が波打ったのは秘密にしておこう。
騎士「皆にもちゃんと返事してやれよ。」
あげは「うん。」
もう一度手元のケータイを開くとさっきは気付かなかったことが分かった。
電話23件にメール38件!!!??
メールや留守電の内容は全部
ごめん。とか、俺のせいだよな。とか、どこに居るの?とか……。
一つもあたしの行動を責める人なんか居なくて、皆あたしを心配してくれてて、また枯れたはずの涙が出て来た。
こんな良い人達を振るのは心苦しいけれど、でも、なんだか心がポカポカした。
皆……ありがとね。

