…あれから二週間が経過した。


特に変わった出来事はなく、次第に学校にもクラスにも順調に馴染めてきた。



「…咲井?聞いてる?」

そう爽やかに問いかけてくるのは、この間の席替えで隣の席になった皆川くん。

皆川くん…本名は皆川力弥(ミナガワリキヤ)で、サッカー部に所属してる。

明るい笑顔が特徴で、男女ともにクラスで人気で、最近仲良くなった男友達?。


「ごめん…聞いてなかったー」


「だからー、なんとなくだけど…咲井最近変じゃない?って言ってんの。」


「最近変って…私たちが話すようになったのも、かなり最近じゃんっ?」

「なんとなく変だと思うだけ」

「変じゃないよ!……たぶん。」


「俺の勘まじ最強だから! 女の勘すごいらしいけど、力弥の勘ハンパねぇよ?」


「力弥の勘って…ははっ…そこ自分で言う?普通。」

どや顏して見てくる皆川くんが、なんとなく可愛く見えて、私は思わず笑った。


「おおっ笑った!」

「えぇ? 私フツーに笑うよ?」


「だって最近あれじゃん。 なんつーか…黄昏れるつーか…悩んでる?みたいな」

とにかくそー見えんの!って付け加え、皆川くんは目をそらした。