騒ぎを聞きつけた体育の先生が輪の中に入ってきた。

「どうした?大丈夫か?」

20代前半の田中先生はそう言った。

「はい。大した怪我じゃないので。」
私がパンパンとホコリをはらって立ち上がった。

「保健室一人で行けるか?」

「はい。」

「分かった。じゃあ試合始めてるからな。」

田中先生がそう言ったのに、「いえ!私が付き添いで!!!」と、美優がまだ懲りずに身を乗り出して言った。

「だめだ。山田のチームの人数が足りなくなるだろ。」

「はぁーい…
ごめんね…」

「大丈夫っ! じゃあね‼」

「うん…ばいばい」