【短編】灯り

これを聞いて僕は更に後悔してしまった。

なんで神様は僕にこんな試練を与えたんだろう。

君に想いを伝える事さえ出来ない僕が、

こんな大きな試練を乗り越えれるだろうとでも思ったのか?

僕は悔しさが溢れてきて、君の前で涙を流してしまった。

すると君が───





「知くん?笑って…よ…。



泣くのは…私だけで…十分…だよ?



だから……笑って。



ずっと…ずっと…笑顔で…いて…ね」





そう言った君から、一筋の涙がこぼれ落ち

君は静かに目を閉じた。





それから僕は笑顔を1番大切にして、

今も君の分まで生きているよ。

この約束は絶対に守るから。

君は、僕がそっちに行くまで信じて待っていて欲しいんだ。





───今日も月明かりが僕だけを照らしてくれている。