夢渡り

「…それでしたら、この当たりをご案内しましょうか?気分が悪いのでしたらせめて見送りだけでもさせてください」

心配なので、と付け足す。


―何故、この男はここまで私に親切にしてくれるのだろう。
否、関わろうとしてくるのだろう。
…それに、先ほどから感じていたこの既視感は何なのだろうか。
まるで、昔、遠い昔にも、同じようにして出会っていたようで―




―怖い。