シオンは私の分までお金を払ってくれた。 「今日はルナリアのワンマンライブだって。ルナリア、ますます人気になってるなぁ」 シオンはそう言って私の向かいの席に座る。 私は大きな袋を横に置き、こっくりと頷く。 ルナリアのあの歌声は、まるで不思議な力があるみたいだもの。 人を元気にさせてくれる。 歌声を聴いた人たちに後ろから肩をぽんっと押してくれる。