月と星と陽

空はまだ紅く染まるには早く、太陽は南中を少し傾いていた。


しゃがんで両親の墓に手を合わせるシオンの後ろ姿は悲しげでも、もちろん楽しげでもなかった。


彼の胸に込めている気持ちは私にはなんにも伝わらなかった。


「僕がまだ小さかった頃…ルナリアに会うよりも前に母さんと父さんは死んだんだ。」


シオンはちょっぴり眉を下げながら、そう言った。

どうやら事故死らしい。詳しくは聞けなかったし、シオンも詳しくは話さなかった。

両親はとっくの昔に亡くなり、悲しみも時がたつにつれてすっかり心の置き場所にしまい込んでしまってる。


でも、そう言ったときのシオンはやっぱり悲しそうだった。