月と星と陽

村には海があり、海の側には毎年夏に訪れる客用の海の家がある。

しかし、隣町の大きな、しかも遥かに賑わいのある海水浴場に
負けてメンフィの村はどこか物寂しい。

僕はそんな村が大好き。


村の名物の時計搭の横の通りにある小さな一軒家が僕の家。
幼なじみのルナリアの家は時計搭を横切って少しいったとこにある。


僕は隣町で産まれたけど、いつもこの村に遊びにきてた。

遅くまでルナリアと遊んで、ルナリアのおばさんに早く帰りなさいと言われて
いつも家まで送ってくれたっけ。


僕はレパードさんのところで働くようになって家を出て、この村で暮らすようになった。



レパードさんも隣の駄菓子屋のおじさんもみんなみんないい人だ。



僕はそんな村が好き。