ぽっかりと浮かぶ雲。

青い空に一つだけゆっくりと流れてく。


「…暇だぁ」


花屋『三本のはな』と書かれたエプロンを身につけた
僕はカウンターに散らばる切り花のカットした枝を端に寄せて、頬杖をついて呟く。

店長のレパードさんは隣街まで出張。


そこそこ大きいこの花屋も平日の昼間は客足も少ない。
週に二回、昼間にあるレパードさんによる華道教室は

主婦に人気があるが、それ以外の平日の昼間は押し花やドライフラワーを作っている。



…丸い雲。

あの雲、餅みたい。

あ、餅食べたいな。

焼くのがいいか、煮るのがいいか………