僕はルーナと話したことがない。




数日前、なんの夢か忘れたけど…悪い夢を見た朝。

僕は二度寝する勇気もなくまだ薄暗い朝に、気分を変えようと庭へ出たとき…


さらさらの銀髪をなびかせて歩き

ルーナは僕の家のポストへ新聞を入れていた。


白い肌

白いワンピース

郵便用の赤いショルダーバッグ



なんだ、僕と同じくらいの歳じゃないか。



ちらりと僕のほうを見ると、ぺこりと頭を下げて



ルーナは小走りで隣の駄菓子屋のおじさんのポストへと向かった。