音楽ってすごい。


音…ってすごい。



私は彼女の口から出る音楽に聞き惚れた。


ぴんと背筋を伸ばして歌う彼女の姿は美しかった。





「ルーナ、あんたも一緒に歌おうよ!」

そう言って彼女は座っていた私の手を引っ張って立たせて

「なに歌いたい?」って聞く。


私はこの世界で知ってる数えるほどしかない歌の中の一つをリクエストすると

彼女は頷いて、歌いだした。
私も歌いだす。







風が騒ぎ

私たちの周りの木々がざわめいた。






私の声は小さくて 彼女の声に消されそうだったけれど…