月と星と陽

ルーナはだんだんと目をこっちに向けて、首を傾ける。


あたしもマネして首を傾けてみる。


「…ごめんなさい。覚えてないわ」


ルーナは先ほどのやりとりで学習したのか、今度は一回で口を開く。


「まぁ、いいけど。ルーナ、あんた人形じゃないんだから喋んなって!」


あたしはルーナの背中をぽんっと叩く。

華奢な背中…



「ごめんなさい…。…あの、いい歌…ね。もっと聴かせてもらっていい…?」


「うん。もちろん!」






あたしは歌う。


歌う。



あたしの歌で誰かが元気になってくれるなら…