「ねぇ、あんた、ルーナでしょ?」

あたしは家から持ち出した水筒の水を飲みながら言った。


こっくりと頷くルーナ。


「ルーナでしょ?」

また、こっくり。

「ルーナでしょ?」

また、こっくり。

「ルーナなの?」

さっきより大きなこっくり。

「ルーナなんだね?」


「…そう、よ」


あ、目をそらした。
しめしめ。


「あはは!やっと喋った。あんた全然喋らないんだもん。
覚えてる?あたし、あんたがあたしの家に新聞入れるとき。

おはようって言ってんのに頭下げるだけで挨拶返さないんだから。」