いつまでもメソメソしてるからあたしは自分で作った歌を歌ったんだ。


たしか題名は『ミツバチのうた』。


皮肉にもシオンの泣かした相手の歌を歌ってやったら

今度はシオン、楽しそうに笑い出して
もっと歌って!て言うんだ。


あの笑顔。彼は裏も表もない。


ルナリアの歌は元気がでるね…って。



あたしの歌で誰かが笑顔になるのなら



あたしは歌い続けよう。
元気の出る歌を歌おう。





ねぇ、そこの前に座ってるルーナ。


あんたはどこにいるの…?




目の前の女の子からは


弦の音の

後を引く

細く

長い長い余韻みたいな


他の音が入ったら 掻き消されるような


音が体から流れていた。



風が止んで
静かに凪ぐ
海のように