彼女は村一番の働き者。



いつのときからか、
ふらりと一人、この村に現れて
郵便屋をしている。




…なぜ郵便屋なのかは知らないが。



僕が目覚めたときにはポストにきちんと朝の新聞が入っている。




彼女の名前は ルーナ。



「ルーナはいい子だよ」

隣の駄菓子屋のおじいさんは自慢げに言う。


ルーナはこの村みんなの自慢なんだ。



ある時は泣きやまない赤子を そっと撫でるだけで きゃっきゃと笑わし。


ある時はパン屋のおじさんが病気で倒れたときお店のお手伝いをし。


ある時は時計塔の清掃のお手伝いをし。