「うへぇ~…」
「ほんのちょっとの距離なのにめっちゃ濡れたっ」
「やだぁ…」
100円ショップの中は少し暖かかった。
「棒つきキャンディー♪」
「どれにするん?」
「これおいしそう」
「それキャンディーじゃないしっ」
美沙が指差したのは
ぬれおかき。
てか、渋っっ
アタシも好きやけどさ。うん。
「これもおいしそうっ」
次に美沙が指差したのは、
マロンキャラメル。
「栗かぁ…」
「れーちゃん嫌い?」
「うん…」
「そっかぁ…」
「え、美沙が食べたいなら買えばいいよ?」
「んーん。みんなで食べたいからさ…」
な、何ていい子なんや…
この子は!!
お家に連れて帰りたい。
いや、切実に。

