こんなことを繰り返してるうちに

中学2年も終わりかけになった。

「奈々は彼氏いっぱいいるけどどれが本命？」

真剣な目で聞いてきた。

「本命なんていないよ。嫌なことを
思い出したくないから付き合ってる」

何か言いたげな顔で私を見た。

「なに？」

「なんでもないよ！」

「まぁでも、奈々はモテるもんね」

「普通です。」

「そっか。」

確かに実際は、モテていたのかもしれない。

年代を問わず年上から年下まで

よく告白されていた。

「でも、奈々って男に対して冷めてるよね」

「そんなことないよ」

さすがに私の親友、梨花もあきれたのだろう。

「だけど、かわいそうだよ。もうやめよ？」

「ごめん。私にはこれしかないんだ。

生きる方法が見つからない。」

「それだったら一緒に探そうよ。

私も手伝うから！」

「ごめん。」

「・・・わかった。なんかあったら言ってね」

どうしてこんなに優しくしてくれるんだろ？

人の優しさに触れたら自分が虚しく見えた。