蒼空くんがあたしの手を引いて、視聴覚室から出るとき……。


「圭輔、ありがと」


小さな声でお礼を言うと……。


「だろ?」


圭輔は、フンと鼻を鳴らした。


「昔っから、莉子が一番喜ぶものをプレゼントするのは、俺なんだよ」


「……え?
じゃあ……。
圭輔がさっき言ってた誕生日プレゼントって……」


そこで言葉につまったあたしに、圭輔はくしゃくしゃの笑顔を落とした。


「大好きな彼氏と仲直りしたかったんだろ?
よかったな。
大事にしろよ!!」