蒼空くんしかいないんだもん!!


その蒼空くんに、『アンタ誰?』とか、『知らない』……って言われるほど嫌われちゃあ……。


もう、あたし、生きていけないっ!!


ズズッと音をたてて鼻水を吸い上げ、情けない顔でぐすぐす泣いていると……。


いつの間に数学の授業が始まっていたのか、碓氷先生があたしの机の斜め前に立ち、白い棒の先を教室の出口に向けていた。


「泣くほど気分悪いなら、保健室に行ってきたら?
持木さん」