「…………」


「男が、女を……。
つーか、彼女のことを知りたいって言ったら……。
おままごとでなんか、終われるわけねーって、わかってる?」


「蒼空……くん……」


「あのさ……」


そう言いながら、蒼空くんは、あたしの頬にあてた手を握りしめた。


「オレしか知らない莉子を……。
見たいって、思うだろ?」


すごく切ない表情でそう言って、蒼空くんが顔を斜めに傾けたとき……。


ガチャッと大きな音をたて、ノックもなしに、部屋のドアが開けられた。