私は煙草を吹かしながら、腐った雑踏に目を向けていた。



『少し時間ある?』

知らない男はニヤリと笑みを浮かべて私に近付いてきた。



『いくら?』

私は煙草を地面に擦り消し、立ち上がると、ネオンが眩しい街へと歩き出す。