街に越してきて2年が経った今、一人で暮らすには充分すぎる金にまみれ、何に対する達成感なのか、私は毎日増えていく札束を眺めているだけだった。 さっき貰った5枚を札束に重ね、また家を出た。 この殺風景で静かな部屋に一人でいると、自分がいなくなりそうで、私はまた人の温もりを求めて、ひたすらにさ迷うだけ。 怖かった。 この世界が。 この街が。 自分自身が。