「う……ここは?」

あれから三日間眠りっぱなしだったジードはようやく目を覚ます。

「目覚めたかジード。怪我の治りが異常に早いお前がずっと寝ていたから心配したぞ」

ジードはラウドの言葉も虚ろに、ボーッとしている。

「どうしたジード?」

そしてジードが掌を上に向けると、ボッと炎が灯った。
さらにジードは炎を出したまま風を纏い、体を宙に浮かせる。

「ジード!!お前、水以外の魔法が……!?」

「なんだか、イメージが溢れてくるんだ。俺、もっと……」

そしてジードは、木に向かって‘何か’を放つ。
すると、それに触れた木の枝はズッと何かに飲み込まれるように消え去った。

「こ、これは妖狐と同じ……。ジード、そういえば魔力が眠りにつく前に比べて著しく増大している。おい、もう一度‘魔透紙’をつまんでみろ!」

ラウドが渡した魔透紙を、ジードがつまみ魔力を込める。
すると魔透紙は以前と同じく、少し白みが薄れた色のまま後は何も変わらなかった。