魔界動乱期

クロコダイルのエリアでは、山羊の角とヒューズの上半身、魔魚の下半身を持つ魔獣・パーンが暴れていた。

水中戦でも、陸上戦でも力を発揮するパーンは四十魔程を葬り去り、残りは十魔のクロコダイルを残すのみであった。
そこへ、ザッと一魔のイグニが舞い降りる。

「ラドンか……。イグニ超燕部隊の特攻隊長……。でもお前じゃ、役不足だ……」

小さな声で呟くようにしゃべるパーン。
そのパーンに、ラドンは無数のカマイタチを浴びせかけた。

「時間をかけている暇はないのでな……、何!?」

狙いを定め放たれたカマイタチは、全てがパーンから少し離れた場所を通りすぎる。

「魔笛……」

パーンはラドンが来たときから、余裕を見せるかのように笛を吹いていた。

「魔笛だと?……うっ」

クラッと目眩でもおこしたかのように、ラドンが横へ倒れ込む。

「お前の平衡感覚奪った……。次は……」

先ほどとは少し違った笛の音が奏でられると、ラドンの視界が霞んでゆく。

「くっ、まずい、このままでは……。直接攻撃は体がふらついて危険。ならば魔法攻撃を繰り返し、照準を合わせる!」