ブルービズのエリアでは、ギガンテスがその猛威を振るっていた。
ブルービズは、青い毛で覆われた体長150センチメートル程のビーバーに似た魔獣。
その愛くるしい見た目とは裏腹に、鋭い爪と牙、獰猛な気性を持つ。

「オメーらは下がってろ!これは命令だ!」

ブルービズの首領、アーヴァンクが指示をだす。
集団で向かっていっても、10メートルを越すこの巨体のマウンテンゴリラに蹴散らされるだけ。

アーヴァンクは仲間の無駄死にを防ぐため、一魔でギガンテスに向かっていった。

しかし、その強靭な肉体の前に、物理攻撃も魔法攻撃も全くダメージを与えられない。

「このままじゃアーヴァンク様が……。くっ、命令違反の罰は後でたっぷり受けてやらあ!」

一魔のブルービズが動き出すと、他のブルービズ達も次々とギガンテスに飛びかかった。

「あっ、お前ら!!」

「グガガガ!ネズミどもが何魔来ても同じだ!」

ギガンテスが大きな掌を振りかざすと、それによって生じた突風がブルービズ達を吹き飛ばす。