魔界動乱期

レンはその魔力のほとんどを使い果たし、うつ伏せに倒れ込む。
ゾーマを終えたゾラはレンの髪を掴み、グイッと顔を上げさせた。

「オメエは最強の生物を生み出した。感謝するぜ」

そしてゾラは部屋を後にした。

「一魔のゾーマで……あたしの魔力が尽きるなんて……」


再びセル山脈―

「少年は、五百余年前に産み落とされた呪いの子と同じか」

「知ってるのか!?セクド・エルナークを……」

グリフォンはジードの質問には答えず、遠くを見つめて昔話のように語り始めた。

「エルナークは破壊神。死して尚、呪いの子を苦しめ、少年を苦しめ、果ては魔界を苦しめる。呪いの子は善き魔族。その呪いに反発するかの如く愛を磨いた。元から備わっていた愛し愛される才能が花開いている」

グリフォンの話には、ジードが聞きたかった答えが散りばめられていた。

「愛し愛される……。やっぱり、それが魔神の目覚めを止める手段なのか?な、なあグリフォン教えてくれ!セクド・エルナークは一体誰なんだ!?」

「呪いの子は、多くの魔族を愛するため、一国の王となった。歩みを進めていけば、会う事もあろう。その先にあるものは希望か絶望か。エルナークの呪いを解くのは果たしてどのエルナークか……。少し神殿を空け過ぎた。私は行く」

言葉を発しながら、グリフォンの姿は一本の木へと戻ってゆく。

「あ、待ってくれグリフォン!俺は、これからどこへ進めば……」

「思うがままに……進め……それが、愛を育む事に繋がる………」

それからグリフォンの声は聞こえなくなった。

「思った通りに進めばいいのか?俺は……このまま魔獣の森に戻る事も出来る。でも俺はまだ何もしていない。この国を変えていない!」

そしてジードはアバル城へ戻る決意をする。
城へ戻ると、ジードは再び狂気の魔族と相対した。