魔界動乱期

「ふっ、お前ならそういう反応をすると思ったよ……。私が言いたいのは注意を怠るなという事だけだ。じゃあな」

「面白い情報をありがとよ。ちなみに、そのディナスってやろうは、森を支配してどうするつもりだ?」

「ああ、ヤツの狙いは……」


ディナス軍の餌場狩りはしばらく続き、戦力の拡充は急速な進展を見せた。
この日、ディナスのエリアには幹部達が集まり、話し合いが行われていた。

「ディナス樣、どうですか、その新しい‘角’のご状態は?」

幹部が訪ねた先には、百獣の王ライオンの顔に角を生やし、手足が四本づつ、背中に羽が生えた異形の魔獣が腰かけていた。
更に色んな魔獣が組み合わさったかのような、つぎはぎだらけに見える体。
キメラ(複合魔獣)のディナスある。

「うむ、すこぶる調子が良い。さすが生物の‘生’を司るユニコーンの角だ。お前の右腕も元通りに動くだろう?」

ディナスが脇に目を向けると、右腕の回復ぶりを示すように振り回す魔獣がいる。

「全てディナス様のおかけです。今度あいつらに会ったら、必ず殺してやる。確か名は、ジード……!」

「モルキよ、勝手な動きをするんじゃないぞ。我々の目的はこの森を支配し、そしてその破壊的な戦力でこの国、アバルを乗っ取る事だからな」