数日後、ラウドはある魔獣のエリアを訪れていた。
ラウドがエリアへ踏み込むと、地面がボコボコと隆起する。
そして地中からその魔獣が姿を現した。

「ラウド、オメエから訪ねてくるとは珍しいじゃねえか」

「相変わらず、鬼神のごとき魔力を纏っているな。デグタス」

ラウドが訪れたのは、土竜(どりゅう)・デグタスのエリア。
竜は現在の魔界に百魔以上いるが、元を辿れば四魔の竜に行き着く。
デグタスは、かつて魔王の側近として名を馳せた‘闘竜’の血を引き、‘闘竜の系譜’と呼ばれる一族だ。

「なんかあったのか?」

「ルークからの情報だが、このところディナスの集団が‘餌場狩り’をしているらしい」

「餌場狩り?」

ラウドによると、ディナスは狙いをつけた集団のエリアの周りを占拠しているという。
餌場を失った群れは危険を侵して遠出するか、ディナス軍に闘いを挑み餌場を確保するしかなくなる。
こうして闘いに負け、もしくは生き抜くために降伏し、ディナスの傘下に加わる集団が増えているというのだ。