得体の知れぬ恐怖は魔族を混乱させ、各国の民は新しい住魔を警戒するようになる。
ダークエルフの復讐は、当時結成されたダークエルフ討伐連合に駆逐されるまで実に三百年もの長きにわたり行われた。
今でもダークエルフは闇の魔族として忌み嫌われている存在なのである。
セレナが第八師団随一の実力者でありながら部隊長に甘んじていたのは、彼女がダークエルフである事にも関連していたのだ。
「そんな私を……、幼くてダークエルフである事を隠す術を持たなかった私を、あの方は優しさで包み込んでくれた」
‘この国の現状以上に辛い思いをしてきたのだろう。でもギルシャスという国は、魔獣の私に軍団長を任せてくれる国だ。差別などない。気が向いたらいつでも会いに来てくれ’
セレナが自立する頃、既にギルシャスはロジとの八十年戦争の最中にあった。
そしてギルシャス滅亡の報を知ったセレナは、ギルシャス王の意志を継ぐというアバルの下へ行く決意をしたのである。
「なぜだ……、なぜお前達はここに来た?魔獣の森と同じアバルにあるセル山脈に、なぜ来てしまったのだ!」
セレナの語気が、仄かに怒りの色を表す。
「い、いや……それは、ケルベロスが……」
「お前達の残虐な行為が、あの森を、あの方の存在を汚したのだ!」
事実、魔獣の森出身のケルベロス達の残虐な行為は、アバルの国民に‘魔獣の森はあんな輩の集まりである。いつヤツら外に出てくるかわからない’という考えを浸透させた。
そして国王のアバルは、アバルが得た力を示すため、国民の支持を確固たるものにするための‘大義名分’としてケルベロス達の悪行を魔獣の森討伐理由として掲げたのでる。
ケルベロスの存在は、ラウドがアバルを乗っとるために放ったものであると。
裏の真実は、アバルとヅェシテ以外に知る者はいない。
「わ、わかった!俺は出ていく!この森から……いや、この国から!そ、それでいいだろ!?」
しかし怒りにわななくセレナには、サーベルタイガーの声は届いていない。
「私は討伐などの名目であの方に会いたくはなかった!それなのにお前達のせいで……、私とあの方は敵同士になってしまったのだ!せっかく出会えた、あの方の片鱗を持つジードとも……。そんな宿命を生み出したお前達を、私は許さない!!」
ダークエルフの復讐は、当時結成されたダークエルフ討伐連合に駆逐されるまで実に三百年もの長きにわたり行われた。
今でもダークエルフは闇の魔族として忌み嫌われている存在なのである。
セレナが第八師団随一の実力者でありながら部隊長に甘んじていたのは、彼女がダークエルフである事にも関連していたのだ。
「そんな私を……、幼くてダークエルフである事を隠す術を持たなかった私を、あの方は優しさで包み込んでくれた」
‘この国の現状以上に辛い思いをしてきたのだろう。でもギルシャスという国は、魔獣の私に軍団長を任せてくれる国だ。差別などない。気が向いたらいつでも会いに来てくれ’
セレナが自立する頃、既にギルシャスはロジとの八十年戦争の最中にあった。
そしてギルシャス滅亡の報を知ったセレナは、ギルシャス王の意志を継ぐというアバルの下へ行く決意をしたのである。
「なぜだ……、なぜお前達はここに来た?魔獣の森と同じアバルにあるセル山脈に、なぜ来てしまったのだ!」
セレナの語気が、仄かに怒りの色を表す。
「い、いや……それは、ケルベロスが……」
「お前達の残虐な行為が、あの森を、あの方の存在を汚したのだ!」
事実、魔獣の森出身のケルベロス達の残虐な行為は、アバルの国民に‘魔獣の森はあんな輩の集まりである。いつヤツら外に出てくるかわからない’という考えを浸透させた。
そして国王のアバルは、アバルが得た力を示すため、国民の支持を確固たるものにするための‘大義名分’としてケルベロス達の悪行を魔獣の森討伐理由として掲げたのでる。
ケルベロスの存在は、ラウドがアバルを乗っとるために放ったものであると。
裏の真実は、アバルとヅェシテ以外に知る者はいない。
「わ、わかった!俺は出ていく!この森から……いや、この国から!そ、それでいいだろ!?」
しかし怒りにわななくセレナには、サーベルタイガーの声は届いていない。
「私は討伐などの名目であの方に会いたくはなかった!それなのにお前達のせいで……、私とあの方は敵同士になってしまったのだ!せっかく出会えた、あの方の片鱗を持つジードとも……。そんな宿命を生み出したお前達を、私は許さない!!」

