魔界動乱期

「化物め……!だが、まだ終わりじゃねえぞ」

ジードは膝を震わせながらも立ち上がり、ヨロヨロと歩いてゆく。

「くっ……そ」

途中、ジードが膝をついたときだった。
仁王立ちをしていたディナスも同じくガクッと片膝 をつく。

「ジードのやろう……、遥かに攻撃力が増してやがる」

ディナスは攻撃を堪えたというわけではなかった。
ジードの拳があまりにも速く、重たかったため、吹き飛ぶ事すら出来なかったのだ。
体が軽いジードは、吹き飛ばされる事により、結果的にダメージを拡散させた。
対してディナスは受けた攻撃の全てをダメージとして残した。

「気付かれたらつまらん……。よっ…と!」

ジードが立ち上がるより早くディナスは立ち上がり、元の仁王立ちをしてジードを待ち構える。

「よう、待たせたな……。おらっ!」

ディナスのもとにたどり着いたジードは、下から拳を突き上げ、ディナスの顎を捉えた。

「待ちくたびれたぜ!」

お返しとばかりにディナスは上から拳を振り下ろし、ジードは地面に叩き付けられる。

「見たかジード。これが俺とお前の力の差だ。俺にはダメージなんざちっともねえ!」

ジードは無言で立ち上がり、口に溜まった血をペッと吐いた。

「嘘つけ」