「妖狐、やめろ!」
【ぐっ、ラウド……、憎悪は更なる憎悪を生むだけだ。もしギルシャスとリマが戦争になったら、多くの国民が死ぬ。エレナと同じ犠牲が双方に出るぞ。リマの国民は悪くない】
妖狐は血を吐きながらラウドを説得する。
「妖狐、くっ……!」
ラウドはやり場のない怒りを携え、ガックリと膝をついた。
「ならば私は国を捨てる!!」
【無駄だ。もはやヌシはギルシャスの英雄。王を越えるギルシャスの象徴だ】
ラウドはエレナの身に付けていたティアラを握り締め、地面にしゃがみ込み両手を叩きつけた。
妖狐が最も見たくなかった、最愛のラウドが怒り、悲しむ姿。
「妖狐、すまん。私はエレナだけでなく、お前の命も失わせるところだった……」
【構わぬ。我は二度もヌシに命を救われた。ヌシが過ちを犯さずに済むならば、この命いくらでも捨てよう】
「妖狐。私の取るべき行動は、憎悪のままにリマに乗り込む事ではない。歯を食い縛り……、静かなる怒りを正義の力に変える事なのだな!」
ラウドはその体勢のまま、涙をポタポタと地面に落とした。
【わかれば良いのだ】
妖狐の目には、嘆き苦しむラドの姿が嫌と言う程焼き付いていた。
沸き上がる何とも言えない感情。
自分は今、どんな顔をしているのか。
妖狐はラウドに背を向ける。
【では…我は行く。ラウド、ヌシはしばらく何もせずに休め】
ラウドが妖狐の背中を見上げると、その背中がなぜか遠いものに感じた。
「妖狐。エレナはお前の事を好いていた。だから明日、線香でもあげに来てくれ」
【よかろう】
妖狐は静かに歩き出す。
「妖狐、待っているぞ。必ず来いよ……!」
妖狐はクルッと振り向き、ぎこちない笑顔を作った。
【我は気まぐれだが、約束は守る】
ラウドは、初めて見る妖狐のぎこちない笑顔に違和感を感じずにはいられなかった。飛び立つ妖狐の姿を見たラウドは、妖狐がどこか遠くへ行ってしまうような気がしたのだ。
【ラウド、ヌシはギルシャスの英雄であれ。ヌシの憎悪は、我が全て持っていく。ヌシの代わりに、我の手を悪の血で染め上げよう……】
それからラウドはエレナの亡骸を抱き、その場に座り込んだ。
【ぐっ、ラウド……、憎悪は更なる憎悪を生むだけだ。もしギルシャスとリマが戦争になったら、多くの国民が死ぬ。エレナと同じ犠牲が双方に出るぞ。リマの国民は悪くない】
妖狐は血を吐きながらラウドを説得する。
「妖狐、くっ……!」
ラウドはやり場のない怒りを携え、ガックリと膝をついた。
「ならば私は国を捨てる!!」
【無駄だ。もはやヌシはギルシャスの英雄。王を越えるギルシャスの象徴だ】
ラウドはエレナの身に付けていたティアラを握り締め、地面にしゃがみ込み両手を叩きつけた。
妖狐が最も見たくなかった、最愛のラウドが怒り、悲しむ姿。
「妖狐、すまん。私はエレナだけでなく、お前の命も失わせるところだった……」
【構わぬ。我は二度もヌシに命を救われた。ヌシが過ちを犯さずに済むならば、この命いくらでも捨てよう】
「妖狐。私の取るべき行動は、憎悪のままにリマに乗り込む事ではない。歯を食い縛り……、静かなる怒りを正義の力に変える事なのだな!」
ラウドはその体勢のまま、涙をポタポタと地面に落とした。
【わかれば良いのだ】
妖狐の目には、嘆き苦しむラドの姿が嫌と言う程焼き付いていた。
沸き上がる何とも言えない感情。
自分は今、どんな顔をしているのか。
妖狐はラウドに背を向ける。
【では…我は行く。ラウド、ヌシはしばらく何もせずに休め】
ラウドが妖狐の背中を見上げると、その背中がなぜか遠いものに感じた。
「妖狐。エレナはお前の事を好いていた。だから明日、線香でもあげに来てくれ」
【よかろう】
妖狐は静かに歩き出す。
「妖狐、待っているぞ。必ず来いよ……!」
妖狐はクルッと振り向き、ぎこちない笑顔を作った。
【我は気まぐれだが、約束は守る】
ラウドは、初めて見る妖狐のぎこちない笑顔に違和感を感じずにはいられなかった。飛び立つ妖狐の姿を見たラウドは、妖狐がどこか遠くへ行ってしまうような気がしたのだ。
【ラウド、ヌシはギルシャスの英雄であれ。ヌシの憎悪は、我が全て持っていく。ヌシの代わりに、我の手を悪の血で染め上げよう……】
それからラウドはエレナの亡骸を抱き、その場に座り込んだ。

