魔界動乱期

数十分後、ラウドと妖狐がその森に到着した。

「エレナ!無事か!?エレナ!返事をしてくれ!!」

ラウドがエレナの方に近付いたそのとき、

【来るな!!ラウド、そこにおれ!!】

僅かに先についた妖狐が、ラウドの歩みを止めた。

「妖狐か?エレナがいたのか?エレナは……」

【ラウド、落ち着け。ヌシはこっちに来るでない】

「妖狐!!エレナはいるのか!!?」

ラウドの心は激しく乱れていた。それは、今までにない位の荒々しい声が物語っている。

ラウドは妖狐の制止を無視して、歩み寄った。そしてラウドが見たのは、信じたくない無惨な光景。

「エ、エレナ……?」

【ラウド、エレナは……】

妖狐が駆け付けたとき、エレナは既に絶命していた。
そして妖狐は、あのときギドラスを殺す事を躊躇した自分を責めていた。

「エレナ、嘘だ!目を開けてくれエレナ……!私が城に行けば良かったのに!なぜ私はエレナを1魔にさせたのだ!!」