魔界動乱期

「今出れば、死にに行くようなもんだ!」

そうしていると、グレオの手足がビクンッビクンッと痙攣し始める。

「俺の仲間を……。許さねえ!!」

「ジード!!あのバカ!!」

怒りと共に猛スピードで繰り出された拳がモルキを捉える。

「おっ!?」

一瞬不意をつかれたモルキだったが、そこは百戦錬磨。体を捻ってヒョイとかわす。

「なんとヒューズか。小僧……何者か知らんが、儂と戦う気か?」

「グレオの水を解きやがれ!!」

モルキの質問を無視して、ジードは息つく暇もない攻撃を繰り広げる。

「今だ!!」

その隙をついて、ニコがグレオをエリア外へと素早く運び出した。
エリアを少し離れたところで、グレオの顔にまとわりついていた水がパシャッと弾ける。