魔界動乱期

デグタスのエリア―

「こんな魔族がいたとは……。魔獣の森とは恐ろしいところですね」

血だらけになり深い傷を負ったシンが片膝をつく。

「そこらへんで終わりだ。シン、パーン」

しばらく二魔の戦いを見ていたデグタスが間に入る。

「まだ……やれる……」

この戦い、敗れたのはパーンであった。
自分のためにパーンを死なせるわけにはいかないと思ったデグタスは、間に割って入り戦いを止めたのである。

「シン、どうも俺は勘違いをしていたのかもな。オメエからは悪意を感じねえ。だがよ、何の目的かわからねえヤツをラウドに会わせるわけにはいかねえんだ。良かったら全て話してくれねえか?」

「……わかりました。あなたにも‘竜の使命’のもとラウド様の傍にいるのでしょうから。それにおそらく、私達がやろうとしている事はあなたの……いや、‘あなたがた’の使命にも関わっている事です」

「俺達の?つう事は、全ての竜の使命ってことか?オメエは使命の意味を知ってるっていうのか?」

竜は神の遣いと言われており、それぞれが生まれながらにして使命を持つ。
竜にとって与えられた使命は絶対であり、使命に基づいて生を全うするのは自然の流れだ。

しかしその使命には‘なんのために’という答えがない。
例えばデグタスの場合は‘ラウドに付き従い、ラウドを守る事’。

デグタスにもそれが何を意味するのかわかっていない。

「竜の使命はそれぞれがパズルのワンピースのようなもの。使命を繋ぎ合わせたとき、答えは出ます。そして刻が来れば、自然と使命が繋がれる」